サピエンス 全 史 文庫。 『憲法で読むアメリカ史(全) (学芸文庫)』(阿川尚之)の感想(12レビュー)

全人類の必読書『サピエンス全史』をどう読むかーー入門&解説書発売!著者来日時の裏側を語るエッセイを特別公開|Web河出

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全世界500万部突破! 世界に衝撃を与えた『サピエンス全史』は何を伝え、われわれにいかなる未来をさし示しているのか。 我々人類が、他の人類種を根絶やしにし、力の強い他の生物を押しのけて、この地球の頂点に君臨できたのはなぜか。 その謎をホモ・サピエンスだけが持つ「虚構を信じる」という特殊な能力から読み解き、全人類史を俯瞰し、その性質ゆえにこれから人類がたどるであろう未来をリアルに予言してみせた『』(ユヴァル・ノア・ハラリ 柴田裕之訳)。 歴史書でありながら、 「人類史を描き、高い視点を得られる1冊。 『そもそもビジネスは何のためにあるのか」に目を向け、新たなビジネスモデルを考えさせてくれる。 』」 との評を受け、2017年のビジネス書大賞を受賞し、新たなビジネスやを考えるための必読書ともなっています。 世界中で、ビル・ゲイツやマーク・ザッカーバーグを始め、前アメリカ大統領のバラク・オバマ、日本では堀江貴文など有数の経営者やリーダーたちがこぞって絶賛しています。 でもカズレーザーさん、東野幸治さんが「お気に入りの本」として紹介、大きな話題となっています。 これから読む人への入門書にして、もう読んだ読者への解説書 が発売されました。 (目次はから) (2017年1月4日)で、大反響を呼んだ著者ユヴァル・ノア・ハラリ氏と池上彰氏の対談も、放送できなかった部分を含めてすべて本書に収録しています。 本書より、2016年9月の『サピエンス全史』刊行時にハラリ氏が来日された際に、4日間の取材に立ち会った訳者・柴田裕之さんのエッセイを特別公開します。 _____________________ スーパーヒューマン 柴田裕之 力強い声だった。 インタビューに答える著者の声は、自信に満ち、力強かった。 昨年(二〇一六年)九月下旬、『』の日本語版刊行に合わせて、版元の河出書房新社の招待で来日した著者ユヴァル・ノア・ハラリ氏は、四日にわたって各種メディアの取材を受けた。 訳者の私は幸運にも、同社のご厚意で、その四日とも取材の場に立ち会う機会を得た。 初日の朝、ホテルのロビーで待ち受ける私たちの前に姿を現したハラリ氏は、物静かな方だった。 背丈は一七〇センチ余り、体重は五〇キロ強ぐらいだろうか、痩身で、ジーンズにスニーカーをはいた脚はずいぶんと細く見えた。 ところが、上階の取材会場に移ってインタビューが始まったときに私の耳に飛び込んできたのが、冒頭に書いたあの声、華奢な体のどこから出てくるのかと思うほどの声だった。 頭が切れる人であることは一目瞭然で、さまざまな問いに、 澱 ( よど )みなく的確に応じていく。 核心を衝く質問に対しては、熱弁を振るうこともあるが、けっして興奮するわけではなく、あくまで冷静で、ときどき喉を潤すために口に運ぶグラスは、毎回丁寧に、きちんとコースターの中央に戻す。 理路整然と語るけれど、無味乾燥ではなく、ユーモアを交え、私たちにもわかりやすい日本の例を引く。 最初のときだけではない。 次々に組まれていたインタビューのどれでもそうだった。 圧巻はやはり最終日、午後遅くのNHKでのスタジオ収録だろう。 『サピエンス全史』を特集するのためのもので、インタビュアーは池上彰氏。 ハラリ氏と池上氏がそれぞれ日英、英日の同時通訳の声をイヤホンで聞きながらのインタビューだった。 私もセットの陰でヘッドホンをつけ、同時通訳をモニターしながら、目の前のお二人のやり取りに耳を傾けていた。 ハラリ氏は、これまでどおり当意即妙の受け答えを見せ、質疑応答を楽しんでいるようだった。 池上氏も熱のこもった質問を重ねた。 このインタビューのうち、実際に放映されたのは正味四分にも満たなかったが、じつは収録は予定の一時間を大幅に超えて続いた。 当然ながら、質問する池上氏よりも答えるハラリ氏の話す時間が長くなる。 途中で英日担当の同時通訳者がギブアップし(同時通訳は一五分ぐらいで交代するのが標準らしい)、休憩の後、収録再開となった。 これがまた見事だった。 ハラリ氏も池上氏も、中断前の雰囲気や勢いをそのままに、まったく途切れを気取らせない形でインタビューを続けた。 収録を終えたハラリ氏は、疲れも見せず、渋谷のNHKのスタジオから新宿の紀伊國屋書店本店に直行し、販売促進のために五〇冊ぐらいだろうか、『サピエンス全史』にサインした。 これをお読みの方のなかにも、ひょっとしたらそのうちの一冊をお求めになった幸運な方がいらっしゃるかもしれない。 その後、ようやく遅い夕食となった。 場所は近くのベジタリアンの店。 そう、ハラリ氏は原則としてヴィーガン(肉や魚ばかりでなく、卵やチーズ、牛乳などもとらない人)なのだ。 しかも、瞑想を日課としている。 インタビューの合間にも、ホテル内の部屋に戻ってしばし瞑想をしていた。 ほっそりしていながら精力的、そして頭脳明晰、そのうえ生命を大切に思う心を持っているハラリ氏は、どこか修行僧のような雰囲気をたたえている。 『サピエンス全史』をお読みになった方は、ハラリ氏と仏教の近しさを感じ取られたかもしれないが、それはこういう背景があるからだろう。 ただし、ヴィーガンであるのは宗教的な理由からではない。 私たちが人間以外の生き物を物扱いにしていることに気づき、それに 与 ( くみ )したくないと考えたからだそうだ。 だから、たんに殺生を嫌うのではなく、動物の扱いに問題があると思われるのであれば、食肉産業ばかりか酪農の産物も口にしたくないという。 他人にも菜食を勧めるが、できるかぎりでかまわない、間違っても菜食を宗教に変えて狂信してはならないと説く。 イデオロギーの 孕 ( はら )む危険を知り尽くした、いかにもハラリ氏らしい勧奨だ。 そういう思いがあるから、歴史を幸福という観点からも眺めるという発想が生まれ、『サピエンス全史』でも幸福を大切な軸としたのだろう。 しかも人間だけではなく動物までも対象にして。 ところで、『サピエンス全史』を読んでいると、大きくかけ離れたものを結びつけ、話に織り込むのがじつに巧みなことに感心する。 たとえば、第2章ではシュターデル洞窟のライオン人間とプジョー社の製造した自動車を飾るライオンをかたどったボンネットマークを、実在しないものを想像する人間の能力という文脈で並べ立てる。 第6章では紀元前一七七六年ごろに制定されたハンムラビ法典を、一七七六年に書かれたアメリカ合衆国の独立宣言と、帝国を支える神話という文脈で対置している。 来年(二〇一八年)九月に日本語版の刊行が予定されている次作『HOMO DEUS』でも、エデンの園とアダムとイヴが食べたリンゴの話と、ニュートンの生家のあるウールズソープの園とニュートンの頭の上に落ちてきたというリンゴの話を、神話についての項で引き比べたり、古代エジプトのメンフィスの王(ファラオ)を、アメリカのテネシー州メンフィスのキング(キング・オブ・ロックンロール、つまりエルヴィス・プレスリー)と、物語や神話、ブランドについての項で同類として扱ったりしている。 今挙げたのは、いずれもわかりやすい表面的な例にすぎない。 いわゆる氷山の一角であり、多くの方々が興味をそそられたり舌を巻いたりしたのは、むしろ水面下の巨大な部分のパターンや流れ、つながりを見て取るハラリ氏の洞察力なのだろう。 それはともかく、こうした形で結びつきを提示するのは、遊び心もあるのかもしれないが、言わんとすることを読者にどう伝えるかにいかに腐心しているかの表れでもある。 書くときには日常語で、軽く、面白く、ということをつねに心がけているそうだ。 また、最初に出した『サピエンス全史』のヘブライ語版から英語版を作るときに大幅な改訂を加えたばかりでなく、世界各国で翻訳版が出るときには、それぞれの国の読者のための改訂や加筆も行なっている(それは日本語版にも当てはまるし、『HOMO DEUS』でも踏襲されることになる)。 さらに、 物語 ( ストーリー )として語るということをとても重視している。 人間は物事を物語で考えるから、物語で伝えるのが最も効果的であるというのがその理由だという。 では、なぜそこまで心を砕くのか? それは一つには、伝えるのが科学者の使命であるという信念を持っているからだ。 それも、難解な文章や専門用語だらけの文章で学者仲間だけに伝えるのではなく、広く世間に伝えることが大切なのだ。 そしてまた、なるべく多くの人が歴史に関心を持ってほしいと望んでいるからでもある。 なぜなら、現代にとって歴史は重要だからだ。 読者にも新しい目で世界を見てほしい、先入観を打破してほしい、問いを発し、何が虚構で何が現実かを考えてほしい、人間は過去に支配されているがそれに気づいていないから歴史を学んで自己を解放してほしい——それが、「現実をあるがままに見て、知る」のがモットーであるハラリ氏の願いなのだった。 そしてそれが、現代の問題の解決策へとつながるというわけだ。 それにしても、『サピエンス全史』は大部の書物だ。 なぜ現生人類にまつわるこれほどスケールの大きい物語を描いたのか? それは、母国イスラエルの大学で教壇に立つうちに、教育がグローバル史を教えていないことに気づいたからだそうだ。 歴史の大問題にはマクロの視点に立たなければ答えられない。 グローバルな現代世界が抱える問題に取り組むには、大局的な見方をすること、いわゆるビッグピクチャーを捉えることがぜひとも必要だから、というのがハラリ氏の答えだった。 『サピエンス全史』という壮大な物語は過去だけにとどまらず、終盤では人類の未来に目を向け、永遠の生命を追い求める人類の行く末に思いを馳せている。 取材の二日目だったか、やはりベジタリアンの店でとった昼食からホテルへの帰り道、同行していたハラリ氏のマネージャーのヤハブ氏との話が、たまたま本のこの部分に及んだ。 生物工学やサイボーグ工学の力を借りて永遠の命を得たいですか、と私が水を向けると、いっぺんに 非死 ( アモータル )の超人になるというのは自分には想像がつきづらいから、少しずつ、たとえば、まず三〇年寿命を延ばして、それからまた三〇年という具合ならいいかもしれない、という趣旨の答えをいただいた。 まさに、と膝を打つ思いだった。 この「スーパーヒューマン」は、はたしてどのような物語を私たちに語り続けてくれるのだろう? 今後もまったく目が離せない。 (翻訳家) _____________________ ハラリ氏と池上氏の対談、大澤真幸氏、福岡伸一氏へのインタビュー、『サピエンス全史』を楽しむためのブックガイドなど充実の内容はでお楽しみください。 『サピエンス全史』はから試し読みできます。 単行本 - 人文書•

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『銃・病原菌・鉄』から『21 Lessons』まで、人類史や未来論がブームになった背景|Real Sound|リアルサウンド ブック

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歴史学者であるのにも関わらず,科学技術の最先端状況,諸宗教のコンセプトを一言で要約してくれる博識に脱帽である.特に仏教への造詣も深く,私のようなコテコテの「理系」頭でも仏教のコンセプトが分かる. 「私たちは何になりたいのか」という疑問が中心だと思うが,「虚構が協力を可能にする」,「言語は噂話のため発達した」,「中世の先祖は死後の世界についての集団的妄想の中に人生の意味を見出していたおかげで幸せだったのだろうか?まさにそのとおりだ」等,細かな見解も実に面白い.「文系」,「理系」を問わず,個々の詳細な事業や研究に携わる人が立ち止まって考える際の必携の指導書だと思う. 唯一気になったのは,本のほぼ半ばに出てくる「人間に働く力は当人の精神の加速度を当人の身体の質量で割った値に等しい」は間違いではなかろうか?文脈から正しい事実を言わなければならないところなので,「人間に働く力は当人の精神の加速度に当人の身体の質量をかけた値に等しい」のはずで,ヘブライ語=>英語=>日本語と訳す過程のどこかでミスが入ったと考える.教科書として読むべき本と思うので,早く治して出版して欲しい. 私は、「生物進化が止まってると思われる人類は、進化してるのか?」と長年思ってきたが、この本は「意識革命」による変化で「人類は進化している」と。 素晴らしい。 意識革命により、集団の中に多様性が生まれ(ダーウィンの突然変異による生物学的多様性と同様に)、そのことにより進化しているとしていると。 ドーキンスがミームを提唱したのを知ったときも衝撃的だったが、今回はそれ以上。 人類には、生物学的な突然変異がなくとも、人類の集団の中で「意識革命」により多様性が生じているとの発想は、ダーウィンと肩を並べるくらいの発見と思う。 後半は科学、経済等を論点にしている。 この中で衝撃を受けたのは、「信用(クレジット)」をいとも簡単にわかりやすく説明したこと。 今の経済が信用により拡大していることは言わずもがなだが(これを理解してないものが、この本のレビューをかいてるなら、笑止千万)、そこを非常に上手く説明し、現在の経済、中世の貴族と現代の資本家との違い、トルクダウン理論等をとの関連を述べている。 すばらしい。 知的好奇心を求めてる人は、とりあえず読んどけ。 この本を理解した上での人生とそれ以外の人生は、色んな点で違いが出ると思う(この本の評価は、年々上がって行くだろう)。 ただし、下地が無いとこの面白みを理解できない。 もし、あなたがこの本の面白みを理解できないなら、それはこの本がだめなのでなく、あなたがそのレベルに無いってこと。 なお、岡田斗司夫も絶賛してる(面白さも解説してる)が、ネットのアドレス書くと削除されるから、それ探して。 新しく設立された評判の「サピエンス歴史博物館」は、3つのゾーンより構成されています。 入り口に近いAゾーンは約7万年に起きた「認知革命」について、次のBゾーンは約1万2000年前に起きた「農業革命」について、そしてCゾーンはわずか500年前に始まった「科学革命」について展示されています。 Cゾーンは未完成であり、未来については、インテリジェント・デザインのように、生物進化の法則を越える技術が発達するかもしれないという可能性を示唆しています。 具体的には、生物工学、サイボーグ工学(サイボーグとは、有機的器官と非有機的器官を組み合わせた生き物のこと)、非有機的生命工学の3つの技術の進化です。 本書の内容については、訳者の柴田裕之さんの「訳者あとがき」を越えるほどの優れたレビューはないと思います。 従って、私はこの本を読んで個人的に興味のある部分で、「なるほどね」と思ったところの感想を記述したいと思います。 現在、世界で問題となっている「グローバル化」と「閉鎖主義」の相克については、 >国家は、金融面での行動や環境政策、正義に関する国際基準に従うことを余儀なくされていて、資本と労働力と情報の途方もなく強力な潮流が、世界を動かし、形作っており、国家の境界や意見はしだいに顧みられなくなっている。 トランプさんのような政治家の登場は、単なる「グローバル化」のバックラッシュ現象でしかないようですね。 ナショナリズムに関しても >近代のイデオロギーで、依然として死に重要な役割を与えているのは、国民主義だけだ。 国民主義は、詩的な瞬間や切羽詰まった瞬間には、国民のために死ぬ者は誰であれ、その集合的な記憶の中に永遠に行き続けると約束する。 古臭い「共同主観的」遺物に囚われているのは、もう時代遅れです。 しかし、多くの人は「彼ら」には「私たち」の縄張りに入ってきてもらいたくないし、「彼ら」の縄張りで何が起ころうと、知ったことではないのでしょうね。 「グローバル化」と関係して「リベラル化」「知性化」がこれからますます重要になってくると思われるので、良い本をたくさん読んで、読解力を鍛えて、知力を磨く必要性を感じます。 そうすればAIのシンギュラリティーが到来しても、疑問や考える力を養っておけば、AIと伍してやっていけそうな気がします。 歴史を動かす重大な要因の多くが、法律、貨幣、神々、国民といった「共同主観的」なものであるそうですが、行き詰まりを見せている「共同主観的」システムに対しては、「客観的」「主観的」観察、行動にアービトラージの余地がありそうですね。 「マクロ歴史学」を一言で言い表せれば、 >歴史を研究するのは、未来を知るためではなく、視野を拡げ、現在の私たちの状況は自然なものでも必然的なものでもなく、したがって私たちの前には、想像しているよりもずっと多くの可能性があることを理解するためなのだ。 と言うことらしいです。 私はあと約20年くらい充実して生きられれば十分だと思っています。 従って、5~10年くらいの将来予測はとても重要です。 >資本は、個人とその財産を守れない専制的な国家からは流出し、法の支配と私有財産を擁護する国家に流れ込む。 日本の場合将来は、経済が長期に停滞するリスク、財政持続性のリスク、1000年に一度の「巨大震災の世紀」リスクが併存しているので、私たちはこれから私有財産をどうのように守っていくかが個人に問われています。 確率論における「ベイズのアプローチ」によれば、ある事象に関して何も情報がない場合の確率判断は「事前確率」によって表されます。 ところが事態が明らかになるにつれて様々な情報が得られ、それによって確率判断が改定されます。 改定された確率は、「事後確率」と呼ばれます。 これからの日本と世界を俯瞰して行く上で、手がかりがひとつ増えました。 この本を買ったのが2020年の4月12日で、レビューを書いているのが10日後の2020年4月22日。 もちろん、膨大な量の内容を全て読んだわけではなく、 開始5分ほどであまりの退屈さと既視感に嫌気が差し、 念のため目次に戻って、中盤以降の章にもざっと目を通してみたものの 同じように退屈、人生そのものを無駄にするように感じたため 読み進めることをストップした、私にとってはある意味たぐいまれな本です。 低評価を付けている他の読者のレビューにあるように、 この本にまとめられてある内容は ・どこかで見聞きしたことがあり ・かつそれらのコンテンツを更に薄めて ・読者を引きつける力のかけらもない言葉で 書かれた、ただの史実です。 本書の内容が「史実」なのか「個人的見解」なのか、 他の方は「ただの見解」という見方をされている方が 一定数おられますが、私の肌感覚では 微妙なラインのように思います。 遺伝子の話とエスニシティの話を 歴史の流れと絡めて書いている部分などありますが、 一見、とても史実に忠実かつ真っ当な文献に基づいての 分析のように思われて、 緻密に考えてみると、恐らく著者個人の 想像に近い見解なのではないか?という風にも捉えられます。 これはあくまで私の経験も絡めての感想ですが、 これまで「資本論」(マルクス)、「精神と物質」(立花隆) 「構造と力」(浅田彰)、「大衆の反逆」(オルテガ) 「想像の共同体」(アンダーソン)、「昭和史」(半藤一利) 「世界史の構造」(柄谷行人)など、 様々な分野にある程度独自の仮説と 独自の考察を織り込んできた本を読んで 知的興奮を味わってきた身なので、 それらの本で読んできた内容を 何十倍にも薄めた、無意味な本のようにしか思えませんでした。 似たような文脈で言うと「Life Shift」といった、 巷で騒がれた本を読んでも似たような感覚を抱いたことがあるのですが、 今回はその違和感をしっかりと言語化できた、 という意味では、ある意味では良かったのかな、とは思います。 様々なジャンルの本を読んできて 幅広く、ある程度の深さの知的素養と教養を備えている人にとっては、 他の低評価レビューにもあるように 時間とお金の無駄になりかねない一冊と言えます。 逆に、この本を薦める対象としては、 これまでロクに勉強もしてこなかった人、ということになるでしょうか。 各種百科事典や、この世で数十年以上の時の禊ぎを 超えて現代に生き残っていない書籍に目を通したことがない、 あるいはそもそも、義務教育時代に 勉強をすることができなかった、という方には、 何らかの参考になる可能性はあります。 (が、それで言うと、池上彰あたりが出している 分かりやすい解説書を読んだほうが学びになるとは思いますが…) この著者は、ちょうどCOVID19関連での 論客・提言者として知ったので 勉強のために、と思って読んでみたのですが、 今後この人の本を手に取ることは一生ないと思います。

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サピエンス全史(上) / 文明の構造と人類の幸福

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BBC番組化で大反響! 各紙誌絶賛の英国最新ベストセラー人類史。 1万5千年前の「農耕革命」。 250年前の「産業革命」。 そしてスマホ・AI時代の「現代文明」。 欧米の歴史教科書に追加されつつある「人新世 じんしんせい 」問題を提起した、衝撃の全英最新ベストセラー! 専門は環境人文学と19世紀英文学だが、扱うテーマは人類史、古典文学、健康、環境問題まで幅広い。 ケント大学の名物教授として学生に絶大な人気をほこり、2015年には同大の「ベスト・ティーチャー賞」を受賞。 ガーディアン紙、インディペンデント紙、ワシントン・ポスト紙などに寄稿多数。 人類が生み出した文明の速度に、人類の進化が追いついていない問題を大胆に提起した本書『サピエンス異変』は、2018年秋の刊行と同時にBBCワールドサービスで番組化され 全3回 、フィナンシャル・タイムズ紙の2018年ベストブックに選出されるなど、大きな反響を呼んでいる。 水谷淳 みずたに・じゅん 翻訳家。 東京大学理学部卒業、同大学院修了。 鍛原 多惠子 かじはら・たえこ 翻訳家。 米国フロリダ州ニューカレッジ卒業 哲学・人類学専攻。

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